【新人広報・PRマン向け】パブリシティの具体的な手法:新商品発表イベント・PRイベント
桜舞い散る中に忘れた記憶と、ブログ書いてる時間あったら仕事せぇーという君の声が聞こえてくる、どうも、しだれ桜の妖艶さに興奮するKami-PRです。
出典:ケツメイシ さくら
(あえての裏面。哀愁漂います)
さて、今回は、PR手法のひとつ、新商品(サービス)発表イベント・PRイベントに関して。
①経営者編
Getty images
皆さんも、よくテレビの報道番組やワイドショー、新聞、ネットニュースなんかで企業のイベント発表会の様子を目にしたことはあるかと思います。
最もポピュラーな発表イベントとして代表的なのは、Apple社の創始者にして元CEOであるスティーブ・ジョブスでしょうか。
大きなモニターの前でスライドや実機を用いてプレゼンをするアレですね。ジョブスのプレゼンスタイルをマネてあーゆー形式で発表する企業は国内の企業でも増えてきてますね。
このようなスタイルの発表会は、主に上場企業の社長や著名な経営者など、世間の注目を浴びているカリスマ性のある人が立つケースが多く、またPRの観点からみてもそのような方でなければメディア、及び一般消費者の注目・関心は集まりません。中小規模の経営者によって、いくら画期的なサービスなんだ!といってもメディアが集まらなければ意味がないですよね。
また、このスタイルの目的はメディアで取り上げられる事は当然であり、どちらかというと顧客や株主に対し、理解を深めてもらうためのパフォーマンスである部分が大きいかと思います。上場企業ともなると、メディア露出は当たり前(と考えるのもどうかと思うが)、メディアにとっては収入源であるスポンサーになるので記者や編集担当だけでなく、メディアの営業担当が必死に動いてくれるケースが多々あります。また、大手の会社にはバックに大手広告代理店ががっつり入っていることが大半なので、より一層メディアの営業担当は必死になってくれるわけです。
ここでの広報・PR担当の役割は、露出量ではなく、露出の質をいかに高めるか。あくまでメディアニュートラルの考えのもと、アンコントローラブルな記事内容の中で、全メディアに共通して露出するメッセージを確立させておくことが大事です。できれば本当に分かりやすく、だれでも理解できるような一言・一文で。
また、経営者が登壇するイベントに関しては、メディアの対象は主に経済担当の記者になります。
②芸能・タレント編
続いて、新商品・サービスを発表する際に、タレントやアイドルを活用した発表会を実施するケースはPRでは常套手段となっております。①の手法では、主に各メディアの経済担当を対象とした発表会となりますが、メディアにはそれぞれ「エンタメ(芸能)枠」というものがあります。よくテレビやスポーツ紙、ネットニュース等で著名人の熱愛報道やゴシップ情報などが取り上げられるあの枠ですね。企業としては露出量を稼ぎたいというのが本音で、経済面だけではなく、このエンタメ枠も狙って日々様々なイベントが実施されています。新CMに起用するタレントや、商品・サービスのイメージに合う著名人の、いわばタレントパワーにあやかり、メディア露出を図ります。
ただ、ここで気を付けなければいけないのが、エンタメ枠の記者は芸能人に関する情報を目的に取材しに来ており、企業のメッセージなどは二の次になってしまいます。メディアのエンタメ枠のターゲットは主にF1、F2層といわれる女性主婦層です。家でテレビやネットサーフィンをする時間が多い主婦の方々は、芸能人のプライベート情報が大好物。「キーーー!福山様が結婚ーーー!?明日からどうすればいいのー」「五代さま(ディーンフジオカ)ロス」「あのタレントが不倫なんて…!」「SMAPなしじゃ生きていけなーーーい」等々。自分には全く関係ないのに、メディアにとって女性の“好み”、“妬み”、“嫉み”は最大の関心事になり、視聴率、購読率、PV数になって表れるんですね。
広報・PRとしては、そのイベントでメッセージを伝えるためにどのような演出をさせるか。企業イメージに合うタレントの選出、どこから撮影してもその企業のイベントであることが分かるように会場での会社ロゴの配置、進行台本に嫌味なくメッセージを盛り込んだり、イベントに司会から誘導質問をさせたり、イベント終わりによく実施されるタレントの囲み取材で記者からの質問を制御したり…広報・PR担当者は裏で神経を張り巡らし、走り回っております。
③メディア体験取材編
次に、実際に記者に商品やサービスを体験してもらい、記事にしていただくことを目的としたイベントです。
ニュース性を担保するため、その商品・サービスがまだ世に出る前(発売前)に、消費者よりも先にメディア関係者のみを招待し、レポートをしてもらいます。こちらは主にBtoC企業がメインになってくるかと。
新商品の体験イベント、新施設や新店舗のオープン、テーマパークのシーズナルイベント、アニバーサリーイベント等々、記者が一般消費者の代表となって先行体験し、レビューをあげてもらいます。
ここでも注意が必要です。すべての情報をメディアを通じて公開してしまうと、ネタバレになってしまい、消費者の関心は惹くが、記事を見ただけで満足してしまい、結果的に購入・体験意欲を削いでしまう可能性があります。情報量、内容をどこまで公開するかの温度感も広報・PRマンの経験とセンスが必要になってきます。
代表的なイベントとしては上記の3つに分類できるのではないかと思います。
すべてのメディアに対して、情報を平等に提供する事は広報・PRとして大切になります。が、一方で、メディアは自社の報道内容、記事内容は他社と差別化を図りたいと思っています。
そこで、イベントに絡め、時には特定メディアに対しプラスアルファの要素を提供し、情報の質及び量の最大化を図ることもあります。上記②で述べたCM発表会などでは、タレントを起用することが多く、そのネームバリューを活用することがあります。そこで他社の露出と差別化を図りたいと考えているメディアに対し、こちら側も協力し、ちょっとしたおまけをプレゼントします。
例えば、タレントにCM撮影当日の本番前後に少しだけ時間を取ってもらい、どこかの情報番組用にこちらで個別取材をセッティングし映像を提供したり、CM撮影の裏側密着取材をセッティングするなどなど。よくテレビのエンタメコーナーで「スタジオの○○さん、こんにちわ、俳優の××です!皆さんは△△を使ったことはありますかー?」といったコメントを見たことがあるかと思います。こちら側のメッセージを伝えるために、長めの露出尺を使って頂けるのであれば、これを活用することは当然であると思います。
と、PRイベントと言っても単に企業の新情報を発表する場だけではなく、いかにメディアに好意的に記事を書いてもらうか、という目的を達成するために頭を捻り続けることが大事です。