Kami-PR’s blog

主に関西でPR(Public Relations)業を営んでおります。プライベート、ビジネス、業界のちょっとした裏話、色恋もの、ゲスネタ等々、粛々と綴りたいと思っております。お仕事のご依頼はこちらまで⇒godlucky618★gmail.com ※★を@に変えてメールください。

夢、語ります。【世界最高峰の広告祭】カンヌライオンズ

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この業界に入ってから、夢を持っている。

それは、コミュニケーション業界において世界最高峰の広告の祭典、カンヌライオンズへの出展である。

世界にある数々の広告・コミュニケーション関連のアワードやフェスティバルの中でも、エントリー数・来場者数ともに最大規模を誇るのが「カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル(Cannes Lions International Festival of Creativity)」である。期間中に同時開催されるライオンズヘルス、ライオンズイノベーションと合わせて(2016年はライオンズエンターテインメントが新設)約100カ国から15,000人以上の来場者が集まり、全21部門に40,000点を超える作品が応募される一大グローバルイベントのカンヌライオンズは、広告を超えた様々な業界からの注目度も益々高まっている。

 

毎年6月下旬のカンヌライオンズ開催期間中、地中海沿いに位置するフランスのビーチリゾート、カンヌの街は昼夜を問わずカンヌライオンズの参加者で溢れ返る。

 

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まさに夢の祭典。

 

今年は6/18〜6/25の期間で開催。

奇しくも、毎年自分の誕生日(6/18)時期での開催なのである。

 

で、私が専門にしているPR部門は2009年に新設され、今年で8回目。

過去の受賞作を見ていると、本当にPRの真髄をついた企画ばかりで、海外の事例に比べるとやはり国内のPRはまだまだ発展途上なのだな、と力の違いを痛感させられる。

 

ここで、PR部門における過去を含めたグランプリ受賞作を紹介。

■The Organic Effect/Coop/2016年度


Cannes Lions 2016 / PR / Grand Prix / Coop - The Organic Effect

スウェーデンでオーガニック食品販売のパイオニアで有名なスーパーチェーンであるコープの受賞作。農業環境の影響ではなく、消費する人に焦点を当てたキャンペーンで、普段はオーガニック食品を食べていない家族が、2週間オーガニック食品に切り替えると、尿から農薬がほとんどなくなった、という様子を動画化。視聴回数は3500万を超えて、現状のサステナブルではないオーガニック農業についてのイメージを変え、期待を高めました。何より、スウェーデンでは、オーガニック食品の売り上げが伸び、コープは過去20年間で最高の売り上げを記録したということで、シンプル且つサプライジングなアイデアが強いリザルトと結びついていたというものかと思います。

 

■Always #Like Girl/ProcAtor & Gamble(P&G)/2015年度 

 

P&Gの生理用品ブランド『ALWAYS』が、『本当の女の子らしさとは何か?』を世の中に問うたキャンペーン。大人と子どもそれぞれが、自分の考える「女の子らしさ」を体で表現する実験を行った。その対比から、子どもから大人に変わりゆく思春期の間に「女の子らしさ」という社会の固定概念を植え付けられているということを浮き彫りにした。この実験の様子を動画で公開し、女の子も「自分らしく、全力で頑張る」ことを提唱。瞬く間に全世界で共感を呼んだ。動画の総再生回数は5,800万回を超える。
Always #LikeAGirl

 

■The Scarecrow(かかし)/Chipotre Mexican Grill/2014年度


The Scarecrow

街の食品工場で働くカカシを主人公にしたショ-トムービーと、それをモチーフにしたiTunesのゲームなどを組み合わせた統合キャンペーン。これらを通して、自社使用食材の全面自然回帰を宣言すると共に、行き過ぎた加工食品の工業製品化への警鐘を鳴らした。

 

 

■Dumb Ways to Die/Metro Trains Melbourne/2013年度


Dumb Ways to Die

「DUMB WAYS TO DIE」は、メルボルン鉄道の安全啓蒙キャンペーン映像。かわいいキャラクターが歌に合わせて、自分の髪に火をつけたり、ピラニアのいる川に飛び込む、宇宙でヘルメットを外す、鉄道のホームを歩くなど、マヌケなやりかたで次々と死んでいく。制作はマッキャン オーストラリア。音楽とシュールなアニメーションで人気に火がつき、世界中で視聴され、また多数のパロディ映像が制作された。

 

まぁ、カンヌなどの広告祭は、内容もそうだが、どちらかというとクリエイティブ性が重視される傾向にあるため、出展する作品も広告代理店が多く、作品も広告動画や制作物がどれだけ優れているかが問われがちな部分もある。

でも、PR分野に関してはそれだけではダメで、各国の文化の違いはあれど、その施策でどれだけ社会が変わったか、影響を与えたか、意識の変化があったかが評価基準になってくる。これこそがPRの真髄。

アピール(宣伝、主張)の意味で使われがちな日本のPRではない。

そもそもそのように使う人にPRの略は何なんですか?と聞きたくなる。

 

 

このように言ってはいるが、日本の作品も数多く受賞している。

 

 ■10 Minutes Noodle/日清 10分どん兵衛/2016年度ブロンズ賞受賞(電通


Cannes Lions 2016 / PR / Bronze / Nissin Food Products - 10 Minutes Noodle

www.donbei.jp

 

 

■Open Road Project/TOYOTA/2016年度ブロンズ賞受賞(電通


Cannes Lions 2016 / PR / Bronze / Toyota - Open Road Project

 

 

ただ、やはり広告代理店の作品なのだ。なぜか。

やはり国内大手の予算がたんまりある企業のコミュニケーション戦略を担っているのが電通博報堂を始めとする大手広告代理店だからである。PR部門でPR会社から出展が少ないのは、PR会社が広告代理店から下請けで仕事をするため、広告代理店の影に隠れているためである。

海外の作品では、PR会社の出展が多くなってきているのに対し、やはり日本はまだまだPRに関しては広告の1つの手段という位置付けなのだなと感じる。

PRマンがクリエイティブ・ディレクターになってもいいのである。 なっちゃえ。

 

今年のPR部門の全作品はこちらで見れます。

 

 

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雲を掴むような話ではなく、雲を掴む方法はいくらでもあるわけで、例えば凧揚げをするような感覚で、いつか、自分が考えた企画・施策で国内だけでなく世界を動かせるような作品を作り、カンヌの地へ行く日を夢見て、いや夢ではなく現実的な目標にして、日々精進していきたい。

 

 

世界に目を向け、挑戦する事に臆さない企業様、私と一緒にカンヌに凧揚げしに行きませんか?(アレ?)